「はーつっかれたなぁ」
ノックもそこそこに扉を開けて入ってきたのはハンジで、雪崩れるようにやってきたと思ったら、正面から両の手で胸を揉まれる。ハンジは疲れるとこうして突然やってきては、その疲れをいなすかの様に胸を揉んでいく。もう慣れたものだ。ナマエは労わるように頭を撫でれば、
「あー癒される」
とハンジは親父くさい声を出して胸を揉む手を止めて、その手をナマエの背中に回して抱きしめた。
分隊長業務に研究にと、ここのところ根を詰めていたから無理もないだろう。少しでも力になりたいと思うのは自然な流れだった。
「毎日お疲れ様ですね。何かわたしにできることはありますか、肩揉みとか、マッサージとか」
「んーそうだなあ。それじゃあおっぱい揉ませて」
背中に回っていた手はスルスルと下ろされて腰に落ち、艶かしく撫で回しながら囁くようにハンジが言った。ご所望の胸ならばついさっきまで揉んでいたし、なんならいつ聞いても大体この答えだから、もはやおっぱいが本体だと思われてるのでは? とすら思う。もちろん、求められるのは嬉しいことではあるがなんとも複雑な気持ちになるのは確かだ。
「それいつもじゃな、んっ」
言葉の途中であったが、ハンジは身体を少し離して身体を屈めると、ナマエの言葉を吸い込むように唇を塞いだ。
唇はすぐに、ちゅ、と音を立てて離れていった。その後、よっ、と言う掛けとともにナマエは横抱きされて、どこかへと運ばれる。
「だってさぁ、好きなんだもん。私のために神様が作って与えてくれようなものだよ」
「え、わたしのおっぱいがですか」
どんだけおっぱい好きなんだこの人、と睨め上げれば、ハンジは「あぁ」と声を漏らした。
「ごめん、文脈的にそうなってしまうよね。そうじゃなくて、ナマエの全てが、だよ」
どうやらおっぱいが本体ではないらしく、ホッとする。行き先はソファ……かと思いきや、ベッドだった。それが意図することを察さないほど、ナマエは子どもではない。
ハンジはナマエのことをベッドのふちに座らせると、その後ろに回り込んで後ろから抱きしめられる。背中に感じるハンジの体温と、回された腕の締め付けに、やけにドキドキしてしまう。
それから首元に顔を埋められて、ゾクゾクと抜けていくような甘やかな刺激が迸る。
「ほら、私たちすごく馴染むと思わない?」
「はっ……ぁ、そ、ですかね」
首元で喋られると、吐息が首にかかってゾワゾワとするし、ハンジの少し掠れたハスキーな声が耳のすぐ近くで聞こえるものだから、変な気持ちになってしまう。
先ほどハンジはナマエのことを“私のために神様が作って与えてくれたよう”と喩えた。だとするならばナマエだって同じことを思う。そうでなければ、身体中の細胞全てがハンジを求めないだろうし、身体の内側から溢れ出てしまいそうなほどの熱く求める思いなんて抱かないはずだ。
そんなことを考えていたら、ふに、とハンジが再び乳房を揉み始める。眼前でハンジのしなやかな指先がナマエの乳房を弄る様子がとても艶美に見えて視線が釘付けになった。
「下着、いらないよね」
「わたしはそうは思わないですけど……」
「えー、生で触りたい。ね、いいでしょ?」
こうやってお願いされると断れないことをハンジは知っていてやっている。狡いなあ、なんて思っている間にハンジは勝手にブラウスのボタンを外していく。
「いいって言ってないですよ、ハンジさん」
「んー? そうだっけ」
ブラウスははだけて、ぐいっと下着は上にずらされて、あっという間にナマエの乳房が顕になる。
ハンジはナマエの肩に顎を乗せると、直に乳房を揉み始めた。ハンジの手の動きに合わせてナマエの乳房が形を変える。
「すごく癒されてるよ、ありがとうね」
「それなら良かったです……ッ」
ハンジの指が乳首を掠めて、甘やかな刺激がもたらされて堪らず息が止まる。少しずつ、焦らすようにたまに突起を掠めるものだから、身体が敏感に研ぎ澄まされていき、既に乳首は固く膨らんでいる。
ナマエはモゾモゾと無意識に股を擦り合わせて、目を閉じた。呼吸がどんどんと浅くなっていく。
「あっ……ハンジさ……んっ」
「気持ちいい?」
「う……はい」
「いい子だね」
感触を確かめるように乳首を揉まれたと思いきや優しく掠められたり、ハンジは実に上手に緩急をつけて弄ぶ。とても気持ちが良くて溶けていきそうな思考の傍ら、身体の奥底ではもっと欲しいと切なく求めている。そして聡明なハンジにはそれだってお見通しに違いない。さらに言えば、分かっているからこそ、ハンジはそれを口にしない。
「ん……ハンジさん」
「どうしたの」
「……ハンジさん」
「なあに」
「ハンジさん」
「どうしたの。言ってくれないとわからないよ」
底抜けに優しい声で、ハンジが諭すように言う。絶対にわかっているくせに、やっぱり意地悪だ。でもだんだんと、羞恥心よりももっと気持ち良くなりたいという本能が剥き出しになり、ナマエはハンジの手を取って最も触って欲しい場所へと誘導した。
「ここ……です」
「ここをどうして欲しいの」
「ぐうう………」
どうやらハンジはきちんと最後まで言わせたいらしい。言いたくない、けれど早く触って欲しい。理性と本能がぶつかり合う。
「ほらナマエ、頑張れ。ここを、どうして欲しいの」
艶かしくハンジは囁いて、中指で割れ目を撫で上げた。その羽のような優しい手つきに、甘やかな刺激が全身に駆け巡り、堪らず腰が動く。今まで繰り返し行われてきた愛撫で明らかに感度が上がっていて、もう限界だった。
「ハンジさんに、ここを触って欲しいです……っ」
「うん。よく言えました。いい子のナマエちゃんにはいっぱい触ってあげるからね」
ハンジはナマエの頬にキスを落とすと、ナマエのことをベッドの上に寝かせた。そして嬉々とした表情で服を脱がせている姿は、さながら実験を始める前のようだ。これから何をしようかと胸を躍らせているようで、この時ばかりは被験体の気持ちになる。実際、ハンジとのセックスはたまに実験のようなことをされるから、遠からずと言ったところだ。
そうしてナマエはベッドの上であっという間に裸になった。恥ずかしいので手で胸を隠そうとするが、それをハンジは許さない。両手を掠め取られてベッドに縫い付けるように置くと、ハンジは馬乗りになった。
「綺麗だよ、私のためのナマエ」
そう言って、首元に顔を埋める。ハンジの髪が、息遣いが肌に触れてゾクゾクとした次の瞬間には、唇が吸い付いて、ちゅっ、とリップ音を立てて離れて今度は少し下に吸い付く。そうして少しずつ下に行きながら、両手を拘束していた手は解かれて、胸を優しく触る。
そして唇は左胸に到達した。舌は頂の周囲を焦らすように舐めて、最後に唇で軽く先端を掠める。途端、ビリビリと脳が痺れるような刺激にぴくんと身体がしなり、下腹部がジンジンと切なく疼く。
ハンジは舌先を使ってチロチロと刺激する。左胸は舌先で、右胸は指で弄られて、口の端から自分の意思とは関係なく甘い息が漏れ出る。すでにもう与えられる快楽以外は何も考えられなくて、頭の中はハンジでいっぱいだった。どんどんと身体が熟されていく。
「あっ、あ、ハンジさ、あっ……」
「大丈夫、もうすぐだからね」
何が大丈夫なのだろう、なんて思っていると、ハンジは身体を起こしてナマエの膝を掴み、そのまま外側へと広げた。大胆に開脚するような形になり、すでに濡れそぼった割れ目がハンジの目の前にあらわになる。反射的に足を閉じようとするも、ハンジが押さえつけるので叶わない。
「最ッ高の光景だなぁ。よぉく見せて」
ハンジは興奮気味にそういうと、顔を埋めて膨れ上がった陰核を舐め上げた。まるで生き物のようににゅるにゅると動く舌に弄られて、強い刺激が断続的にやってくる。ナマエはたまらず目を閉じた。
「あっ! は……あ、んっ!」
「指と舌、どっちがいい?」
顔を離したハンジは、今度は指で蜜口から蜜を掬い上げてくるくると撫でる。ゆっくり、じっくりとした手つきが焦ったくて、ナマエの腰が甘えるように動く。
「あ、ん……ハンジさん、あっ、あっ!」
「ふふ。気持ちよさそうだね。どっちもいいのかな?」
「ん、ふっ、あ、ああ……!」
ハンジの問いは耳を通り抜けていくだけで、ナマエの頭には何も残らない。少しずつ昇りつめていく感覚に身を預けて喘ぎ続ける。
ゆっくりと円を描いていた指の動きが、急に速くなった。くちゅくちゅという水の音はナマエの身体から出た愛液をかき混ぜることで奏でられている音だ。官能的で淫靡なその音と、今にも弾け飛んでしまいそうな高まる感覚に、タガが外れたように声が出て、足がピンと伸びる。
「あ、や、はっ……ッ、イ、きそ……あっあっ、はぁっ、ハンジ、さ」
「イきそう?」
「だめ、あ、イッ……あッ!」
頭の中で何かが白く弾けて、全身に甘美な刺激が波のように押し寄せる。その波に身を任せて、ピク、ピク、と身体が弓なりにしなった。
「ちゃんとイクって言えて偉いねぇ」
よしよし、と言いながらハンジは、頭でも撫でてくれるのかと思ったら、イッたばかりの敏感な膣に、指を挿入した。何かを求めるように切なくきゅうきゅうと蠢いているそれは、指を迎え入れて、歓迎するかのようにハンジの指にまとわりつく。ズブ、ズブ、と快楽の沼へと引き摺り込むかのようだ。
まずは一本を出し入れして、次は二本の指を挿入し、内側からほぐすように膣内を揉む。
快楽の狭間、薄く瞼を開けてハンジを見る。いつもペンを走らせている指が、ナマエの膣内に入っている。いつも巨人を見ている眼差しがナマエの秘部を見ている。それだけでナマエの身体の火照りが増していく。
するとハンジは顔を上げて、二人の視線が絡み合う。
「あぁ……最ッ高に滾る顔してるよ、ナマエ」
ハンジは埋めた指を動かしながら顔を近づけてきて唇にキスを落とした。二本だった指は三本になり、圧迫感を持って内側のザラザラとした部分を押すように撫でる。押し寄せた強い快楽に飲み込まれて、瞼の裏がチカチカと明滅する。
「あっ! そこ、やッ、あっ!!」
「大丈夫、このままイッていいんだよ」
耳元で、小さな子に言って聞かせるような優しい声色でハンジは囁きかける。その声は耳を愛撫し、そのまま脳までも愛撫されたかのような感覚に陥る。
「ねえ、私のこと好き?」
「あ、は、あっ……!」
「ねえ、好きなんだよね。好きっていってよ。私はナマエのこと、好きだよ。神様が私に与えてくれた番」
指は変わらず揉み解すように動き続けて、耳元では大好きなハンジの声が聞こえて、耳たぶには吐息までも感じられて、その言葉で脳が甘く、強く、刺激された。またしてもナマエの身体は急速に果てまで昇りつめていく。
「あっ、あっ、ハンジさん、好き、あっ! またイクっ、だめ、あっあ、ハンジさん、好き、好き、大好きッ! あ、イクっっ!!!」
縋るようにハンジの身体に腕を回して、少しでも二人の距離がゼロに近づくようにグッと抱きつく。二人の身体が繋がれないのであれば、せめて一つになれればいいのに。そんなことを考えながら、ナマエはあっという間に果てた。膣が収縮を繰り返して指を締め付ける。
ハンジの指は収縮に合わせて動きを緩めていき、やがて抜き取った。全身から力が抜けて、ハンジに回していた手は力無くベッドに落ちて、肩で息をしながら、呼吸を整える。
ハンジは身体を起こして尋ねる。
「気持ちよかった?」
「はい……とっても」
「それはよかったよ。ね、私たちって馴染むと思わない?」
「馴染みます……ね……でも、わたし、ハンジさんに何もできてないです」
いつもナマエは気持ちよくしてもらうばっかりで、ハンジに何も返せないでいる。いつも申し訳なく思うのだが、ハンジは軽やかに笑う。
「どちらかというと気持ちよくさせるほうが私は好きだから、ナマエはなんも考えないで気持ちよくなってくれればいいの。私の手でナマエが善がってる姿を見るのって最高に滾る光景だよ」
「そうなんですか……?」
「そうなんです。だからほら、ね」
漸く落ち着いてきた膣内に、再びぬぷっと何かが押し込まれる。
「一日に連続何回イけるか実験してみない?」
「へ? ちょ、あ、ハンジさん、やめ、ぁん……!」
ハンジの右手の三本の指が膣内をピストンして、左手は陰核を撫でるように動く。完全に油断していたところに再びやってきた刺激に、ナマエは反射的に逃げるように腰を動かすが、もちろんハンジは許さない。
クチュクチュ、と音を立てて、ナマエは再び快楽の底なし沼へと浸かっていく。
◆◆◆
リクエストいただいた百合R18です!
初めて書いたのでこれでちゃんとかけてるのか不安ではありますが、少しでもかすっていたら幸いです……!
引き続きリクエストを募集してますので、ぜひ軽ーい気持ちで送ってください! こんなハンジさんいいよねとか、こういうシチュやばいよね、とか。それを見て悶えながら美味しくいただいてます。そしてそのあと文章にしていきます。拍手からでも、トップのメッセージボックスからでも、気軽にぜひ!
