奇跡の温度は何度だ
「ハンジさん、何か欲しいものはありますか」 声は震えてないだろうか。不自然ではないだろうか。さりげなさを装って聞いたものの、ずっと聞くタイミングを伺い、満を持して聞いたものだから、それが声の端に出ていそうで怖かった。 月が世界を照らす夜半、…
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逆鱗
最近よく話す男がいる。同期でも同じ班でもないけれど、食堂で顔を合わせば一緒に食べようよ、と誘われて近くに座り、気さくに話をするような存在で、たまに同世代の男女何人か交えて飲みに行ったりもする。 そのことについてハンジに尋ねたことがある。「…
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夜を泳ぎ、糸を結ぶ
瞬きで目を閉じるたびに深い微睡の沼に引き摺られていきそうになり、今は現実なのか、はたまた夢の中なのか分からなくなる。足が動いてるのは奇跡に近い。 早く眠りたいのだけど、どうしても会いたくてハンジは今重い足を動かして廊下を歩いている。いつも…
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好きを適量ちょうだい。
ちょっとちょっとそこの新兵、近いよ。いや、ハンジさんが近いのか? ハンジさんがぐいぐい近寄っているのか? ハンジさん、あなたはわたしの恋人なんですよ。わかってますか。あれ、今ハンジさんが腕を動かした瞬間肘当たった? ごめんごめん、って謝っ…
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彩りキス
※イルゼの手帳らへんのやんちゃハンジさん「飽きた」 その一言が聞こえた瞬間、はなんとなく嫌な予感がした。横に並んで立っていたハンジから、気持ち距離を取ろうとしたその時、腰に手が回されてぐいと引き寄せられて二人の距離はなくなり、横にぴたりと密…
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勘違いを拗らせた二人はすれ違う 解答編
もし感情に色があるのならば、それは赤だろうか。目の前で真っ赤な顔をして笑っている彼女を見て、ふとそんなことを思った。 時折彼女から、強い意志のような、思いのようなものを感じることがある。ただ、それが何かはよく分からない。わたしを見て、と訴…
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勘違いを拗らせた二人はすれ違う 問題編
すうっと意識が浮上して重たい瞼を開ければ、視界には見慣れた天井が広がっている。次の瞬間には頭全体を締め付けるような鈍い痛みが襲ってきて、思わず呻き声を漏らす。なんでこんな頭が痛いんだっけ、という問いの解は、昨日の夜の記憶を思い出すことによ…
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番*
「はーつっかれたなぁ」 ノックもそこそこに扉を開けて入ってきたのはハンジで、雪崩れるようにやってきたと思ったら、正面から両の手で胸を揉まれる。ハンジは疲れるとこうして突然やってきては、その疲れをいなすかの様に胸を揉んでいく。もう慣れたものだ…
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媚薬遊戯*
「くっ……! 出る、よ!」 その宣言ののち、下の口で咥えこんでいたものはより一層固くなって膨張すると、びゅくびゅくと脈打って白濁が放たれて、最奥へと注ぎ込まれていく。の口の端からはだらしなく涎が垂れていて、快楽に身を震わせた。 向かい合う形…
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誕生日を忘れたハンジの話
調査兵団の分隊長であり恋人のハンジは、何かに夢中になるとそれ以外のことを全て頭の中から追い出してしまい、没入してしまう根っからの研究者気質だ。そのことについては恋人になる前から分かっていたので、今更な事柄ではあるし、それが、いやそれこそが…
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結婚前夜
たかが紙切れ、されど紙切れ。両名の名前が付随する情報が書かれた一枚の紙がテーブルの上に置いてあり、蝋燭の光に照らされている。 明日、これを提出すれば、ハンジとは晴れて夫婦になる。 二人で並んで椅子に座り、ハンジは婚姻届に視線を落としながら…
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すべて貴方の赴くまま*
唇の端から漏れる浅くて熱い呼吸音と、布が擦れる音、それから水分を含んだリップ音が部屋の中に響いている。 ハンジの左手はの腰に回されて、右手は後頭部はガッチリと固定し、何度も何度も角度を変えて貪るようなキスをされる。その熱に浮かされながらも…
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