絶望の深淵で君と

●絶望の深淵で君と※絶賛リライト中です!
(4主お相手)

  • 00.プレリュード

     禍々しく燃え上がる赤や、黒や、蒼の炎が視界に広がる。見たことも聞いたこともない混沌とした空間だった。は奥にある巨大な威圧感を放つそれを見据えて、今まで自分達が歩んできた旅路を静かに思い出す。 辛かったこともあった、泣きたくなることもあった…

  • 01.おてんば姫の冒険の始まり

     サントハイム城には、アリーナ姫と言うおてんばなお姫様がいました。姫は閉鎖的な城の生活にうんざりしていて、いつも外の世界へ行ってみたい、と思っていました。ですが、仮にもお姫様。王である父がそんなことは許しませんでした。 そんなある日の事………

  • 02.呪われた村

    『サランの町なんて城の庭みたいなものだわ。もっと遠くへ行きましょう!』 と言うアリーナの言葉で、サントハイム城の近くにあるサランで防具やら武器やら買って、早々に旅立ち、さらに北へ移動する事にした。北にはテンペの村があり、そこからさらに東へ進…

  • 03.偽物姫

    「姫! 無事ですか!!」「、クリフト、ブライ! 敵のお出ましよ!」 駆けつければどこか楽しそうなアリーナが拳を構えている。その表情を見て安心しつつも、現れた魔物たちとの戦いを繰り広げるべくも槍を構えた。 クリフトがスカラで守備力をあげて、が…

  • 04.対価取引

    「じゃあ、あたし達はただの旅人としてその偽の姫に会うのよ? OK? とくに、とクリフト」「勿論! 大丈夫です!」「私もに同じです!」「……あんたたちの大丈夫って、いまいちあてにならないのよねえ」 アリーナは訝しげに言ったが、とクリフトは笑っ…

  • 05.王の危機

     砂漠でバザーをやっているとの情報を得た一行は、買い物好きであるアリーナの意向により、バザーへ向かう事にした。バザーはちょうど砂漠の真ん中で行われており、辿りついたころにはすでにへとへとになっていた。「うう……暑い……とりあえず休みましょ」…

  • 06.声にならない声は何を伝える

     ほとんど休みなく足早に歩みを進めて、サントハイム城まで戻ってきた。急ぎ足で来たため、来るときよりも引き返すときのほうが早くたどり着いた。見慣れたサントハイム城が懐かしく感じたが、懐かしむ間も無く王座まで駆け足で向かう。早く王に会って、容態…

  • 07.さえずりの塔の訪問者

    「随分高い塔なのね。これなら、エルフが舞い降りてもおかしくない気がするわ」 息をつく間もなくやってきた、さえずりの塔。天高く空まで続いている塔を見上げて、感嘆を篭めて呟くアリーナ。その横でクリフトがガタガタと震えながら俯いている。彼の異変に…

  • 08.変わり始めた世界

    「大臣! ほら、エルフの薬よ!!」「おおお! 姫様!! よくやってくれました!!!」 サントハイム城に帰ってきて、真っ先に王座に駆けつけて、王の傍に控えていた大臣にさえずりの蜜を見せる。そして王座に座るサントハイム王のところまでやってきた。…

  • 09.待ち焦がれたエンドール

     もう何度も通った、テンペ・フレノール経由でエンドールへ繋がる旅の扉のある祠まで歩いていった。最初のころは手ごわいと感じていた敵ももはや雑魚同然で、戦闘の時間が短縮されるている。それに伴い、一日に進める距離が以前と比べると伸びていった。結果…

  • 10.武術大会

     コロシアムへ続く大きな扉が開けられると、どっと歓声が舞い込んできた。思わずびくりと肩を揺らしつつも、ゆっくりと前を行くアリーナの後姿を見つめながら歩いて行く。いつもより彼女の背中がちょっぴり遠くに感じた。これからアリーナはライバルたちを相…

  • 11.サントハイムの異変

    「よくやってくれた、アリーナ姫よ」 嬉しそうな笑顔でひとつ頷いた王に、アリーナは「いえ」とにこり、微笑んだ。王の隣に座るモニカ姫も嬉しそうだ。そんな三人の様子を、はアリーナの後ろから眺める。それにしてもお腹がすいた。動き回っていたのはアリー…

  • 12.勇者が旅立った日

     俺が、勇者? どんな邪悪も倒せるほど、強くなる? 遠くから聞こえてくる喧騒は耳を通り抜けて、色々な人に言われた色々な言葉を思い返している。だが、どの言葉もこの混乱した頭では理解し得ない次元のもので、思考はもはや無駄とも思えた。「ねえ、どう…

  • 13.パデキアを求めて

     クリフトは何の前触れもなくその場に倒れた。それはそれは突然で、倒れゆくクリフトを支える暇もなかった。いつものように隣を歩いていたが、慌てて抱き起こす。 彼の顔は真っ赤で、汗ばんでいた。額に手を添えれば、異常なほどの熱を持っている。意識が朦…

  • 14.運命の出会い

     あるべきはずのものがそこにはなかった。喉から手が出るほど、心から求めたそれは、存在していたことだけを示していた。開け放たれた宝箱。それがすべてを物語っていた。われわれは、遅かったのだ。何もかもが。 パデキアの種は既に何者かによって持ち去ら…

  • 15.愉快な晩餐会

     とアリーナはその後すぐに仮眠を取ってこれまでの疲れを癒やしつつ、その日の夜、宿で夕食を食べながら色々と話していた。アリーナ、ブライ、、クリフトと並んで、その向かい側にマーニャ、ミネア、、トルネコと並んだ。サラダをフォークでつつきながら、ア…

  • 16.夜空のセレナーデ

     横に並んで、夜のミントスの町をが案内する形でゆったりとした足取りで歩いていく。きっとはの歩調に合わせてくれているのだろうけど、それを感じさせないくらい自然な振る舞いだった。 ミントスは小さな町で、泊まっている宿屋の他、武器屋や防具屋などの…