zld 時のオカリナ

LONG STORY

(時のオカリナリンクお相手ほのぼのラブ連載)

  • 01.森からの使者

     びっくりするくらいなにもない平原だった。見える景色はひらすら続く大地と木々。そして自分がなぜこんなところにいるか見当もつかない。昨夜はいつも通り自分の部屋で寝たはずだ。ということは、起きても自分の部屋にいるのが普通である。しかし目覚めたら…

  • 02.ハイラルのお姫様

    「坊主やお嬢ちゃんがくるようなところじゃないんだ、お母さんと出直しといで」「俺どうしてもこのお城のお姫様に用があるんだってば!」「それにわたし見た目より大人ですよ!」「お姫様にどんな用事なんだい? そうだなー大人だなあ。はっはっは」「いま、…

  • 03.ゴロン族の住むところ

     三人の女神様はハイラルの何処かに神の力を持つ“トライフォース”を隠された。その力とは“トライフォース”を手にした者の願いを叶えるものだった。心正しきものが願えば、ハイラルはよき世界となり、逆に心悪しき者が願えばハイラルは悪に支配される。そ…

  • 04.ドドンゴ征討

     ダルニアの兄貴というのは、他のゴロン族とは風格が全く違った。大きながたいに、大きな声。ざっと自分の身の丈の2,3倍はあるのではないのだろうか。いかにも親分と言った風格の彼はこのゴロンシティを統制している大親分らしい。 ダルニアはリンクから…

  • 05.水を司りし種族

     リンクの活躍はすぐにゴロン族の間に広まった。ダルニアはリンクのことをキョーダイと呼び、その夜は宴が開かれた。一つ残念なことは、“ご馳走”が岩だったこと。さすがゴロン族。結局とリンクははしゃいだだけで終わり、眠りに就いた。次の日、ダルニアか…

  • 06.イン ジャブジャブ様

     実は、ゾーラのプリンセスであるルト姫が、太古よりゾーラの守り神であるジャブジャブ様に飲み込まれてしまった。そのジャブジャブ様はどうやらガノンドロフがここゾーラの里にやってきてから様子がおかしくなってしまい、ルト姫を飲み込んだのもその異変と…

  • 07.姫の憂鬱と従者の謀反

     無事に水の精霊石を手に入れたので、ゾーラの里を後にし、ゾーラ川を下りハイラル平原を歩く。ハイラル城へと向かう途中、リンクはふとデスマウンテンで牧場を見つけたことを思い出したらしく、行ってみないかと提案した。あまり寄り道はよくないとわかりつ…

  • 08.時を駆けそびれた少女

    「……え、リンク?」 剣を抜いた瞬間、眩く光を放ってリンクとナビィはその場から忽然と消えた。残ったのは、剣が刺さっていたトライフォースの紋を刻んだ台座と、自身だけ。聖地への扉が開けたはずなのに、なぜ自分はここに取り残されたのだろうか。「………

  • 09.七年越しの思い

     最近、インゴーが牧場でいばり始めた。なんでも、魔王ガノンドロフに見込まれて、ロンロン牧場の牧場主になったとか。本来の牧場主であるタロンはそのショックからか、牧場から出て行って行方をくらませてしまった。そのうえ、馬のエポナがガノンドロフに認…

  • 10.君に会いたかった

     なんて言葉を最初にかけようか。どこいってたの、怖かったよ、会いたかったよ。七年間で彼に言いたいことは日に日に増えていったから、何から言えばいいかわからない。そわそわとはやる気持ちを抑えながら、エポナとともにロンロン牧場への道を行く。日はゆ…

  • 11.大人びた君と少女の心

    「リンク、泊まっていくでしょ。わたしはマロンの部屋にいくから、わたしの部屋、つかってよ」「え、なんで? も一緒に寝ようよ」 ドキッと心臓が痛む。いい年をした男女で同じベッドで寝るなんて……と、すっかりリンクを男として意識してる自分がいて戸惑…

  • 12.迷える子羊

     リンクがエポナとともに牧場を出た後、はマロンの部屋を訪れた。マロンはベットに腰掛けて、は木製の椅子に腰掛ける。二人でマロンの部屋でお話するときは、だいたいこの場所だ。「妖精くんはどうしたの?」 マロンは問う。「タロンさんを探しに行ったよ」…

  • 13.Like a 花嫁

     リンクとはロンロン牧場の中へ入り、エポナを馬小屋へ戻しに向かった。すると運悪く歩いているところを偶然通りかかったインゴーに見つかってしまった。インゴーはすぐさま状況を理解し、眉をきっと吊り上げた。「おい! お前まさか、この男にエポナを貸し…

  • 14.深い森のおく

    「ミドはコキリの森のボスみたいな存在なの?」「う、うん、まあね……」「すごいねー。ボスは大変?」「そんなことないよ……うん」 ミドの反応がとっても面白くて、はついついミドに話しかけてしまう。そんなが面白くないリンクはむすっと黙り込んで二人の…

  • 15.森の目覚め、開放

     異次元、つまり絵の中の世界へ行ったと思ったら、次には違う絵から出てきて、昔リンクに放ったような邪悪なオーラをまとった光の玉を放ち、リンクに攻撃をする。ファントムガノンを倒すには、彼がたちが存在する次元に出てきた瞬間に攻撃をするしかない。け…

  • 16.「いってきます」

    「リンクはハイリア人ということは知ってると思うデスが、ボクはもっと詳しいことを伝えるデス」「続きがあるの?」 幼いリンクからしたら、与えられた情報がすべてであって、それに対して、なぜ、だとか、どうして、だとか疑問なんて持たなかっただろう。純…

  • 17.高き山にて

     これが、シーク。目以外のほとんどの顔を包帯で多いつくし、ゴシップストーンと似たような、大きな瞳の真ん中から一粒の涙が流れ出ているマークの入ったぴっちりとした服を着ていた。片目を長く美しい金の前髪で隠してほしいのいて、わずかに露出したところ…

  • 18.ゴロンの救出

     炎の神殿は物凄い暑さで、とてもじゃないが中で活動するには限界というものがあった。引き返してゴロンのリンクに相談すると、耐熱素材でできているゴロンの服をくれた。二人で同じものを着たので、いわゆるペアルックのような状態になり、は少し嬉しかった…

  • 19.邪竜ヴァルバジア

     入ってすぐにある真ん中の大きな階段を上って、そこからさらに左に曲がって扉を開ける。このフロアの底はマグマで、移動は、いくつか突き出ているある程度平らな岩石の上を飛びながらするようだった。そしてそのフロアの一番奥でダルニアの姿をとらえた。彼…

  • 20.氷の世界、ゾーラの里

     炎の神殿を出てゴロンシティへ戻る。すると既にリンクがダルニアの部屋に待っていた。は駆け寄り、かけたかった言葉を伝える。「おかえり、リンク」「、ただいま。賢者、ダルニアだったよ」 にっ、とリンクは笑った。そして、不意にを抱きしめた。突然のこ…

  • 21.with シークatハイリア湖

     水のセレナーデを奏でると、身体が光に包まれて、気が付けば辺り一面が穿たれた小島のような場所に降り立った。島の中央には大きな樹が存在感を示すように鎮座している。メインの陸とは橋が渡されていて、覗き込めば水面が見える。それにの脳のシナプスが刺…

  • 22.シャドウ

     リンクが水の神殿へいってもう半日くらいたったのだろうか。話したり、沈黙したり、ちょっと昼寝したりしていたらあっという間に空が暗くなっていた。まだリンクは帰ってこない。彼の安否はわからないが、なんとなく彼は無事な気がする。そう信じている。「…

  • 23.水の神殿の開放

    「そろそろ吟遊詩人が帰ってきそうだな。旅立たねば」「どこへ行くの?」「あてのない流浪の旅ってところか。また会おう、」 そういってダークリンクはすっと立ち上がると、旅立っていった。一瞬身体が追いかけようとするも、踏みとどまる。はその後姿を見守…

  • 24.『好きだよ』

     “屍の館”、というヒントのもと、ひとまずは食料などの補充をするためにカカリコ村に戻りつつ、手がかりを探す、といった流れで決定したのだが、今からハイリア湖を出発したところで日が暮れるまでにカカリコ村にはたどり着かないので、今日のところはハイ…

  • 25.愛をこめて

     耐え切れなくて、はリンクの体を力いっぱい押して、距離をあける。リンクは傷ついたような顔をしていた。自分が拒否されたと思ったのだろう。けれどそれに関して弁解する余裕なんて生憎にはなくて、自分の想いをすべてリンクにぶつけた。「っわたしはね!!…

  • 26.深淵へ

     カカリコ村の異変に気付いたのは、村のあたりから怪しい黒煙が立ち上っているのが見えた時だった。エポナを走らせて急いで駆け付けると、村では大規模な火災が発生していた。逃げ惑う人々の波をかき分けて、二人も消火活動にあたろうと村の中央にある井戸へ…

  • 27.闇の開放、そして砂漠へ

     一歩、また一歩と歩みを進める度に闇に身体が溶けていきそうな感覚に陥りながらも、慎重に歩みを進めて深淵を進んでいけば、それまでの細い一本道から広い空間に出た。なんとなく嫌な予感がする。封印された魔物がいるとするならばきっとここだろう。そして…

  • 28.砂漠の真ん中で愛を叫ぶ

     暫く行くと、それまでの草原から、ごつごつとした岩肌が目立つようになり、いよいよ砂漠地帯に近づいてきたようだった。ゲルドの谷、と呼ばれる谷までやってくると、ここから先の砂漠を行く旅人向けに水や食料、マントなどが売っている露店が並んでいた。馬…

  • 29.女神たちが住まう砦へ

     さて歩き出そう、と改めてゲルドの砦へと歩き出したとき、『そういえば』、と言ってナビィが紡いだ言葉はに衝撃を与えた。 砂漠にはゲルド族と言う種族が住んでいて、女性しかいない。それは先刻ナビィから聞いていた。そして女性しかいないからこそ、強く…

  • 30.魂の神殿の開放

     リンクが魂の神殿に向かって、どれほどの時間が経ったのだろうか。時間を知るすべは、檻の中にある小さな明かり取りの窓から見える空の様子だけだ。青色だった空の色は、少しずつ橙色に染まっていく。もうじき日が暮れるだろう。捕虜の身だから贅沢はもちろ…

  • 31.時の神殿での再会

     リンクと相談した結果、途中にロンロン牧場に立ち寄って、安全のためにエポナを預けることにした。砂漠地帯からロンロン牧場へと向かう道すがらのハイラル平原で、手頃な木陰を見つけて少し休憩を挟んでいる時、これから始まる最終決戦に向けてはリンクに考…

  • 32.魔王との戦い

     城下町を抜けてかつてのハイラル城で今はガノン城と化した城へと続く荒れ果てた道をひた走る。やがて現れたガノン城は、ハイラル城だった頃の面影はなく、すっかりと姿を変えてしまった。かつては緑で満ちていた美しいハイラル城の敷地は草木一つない、生命…

  • 33.冥府の彼方へ

    「この俺様が……魔王ガノンドロフがこんな小僧に敗れるのか……!?」 ついにリンクがガノンドロフに止めを刺した。まばゆい光が一面を照らすと、いつの間にやら光景が変わっていた。今までいた場所はガノンドロフが魔力で作り上げた空間だったのだろうか、…

  • 34.そして、さようなら

     リンクが次に気がついたときには、天も地もない、どこまでも広がる青空の中にゼルダと二人、対峙していた。とても澄んだ青空だった。ここはどこだろう、はどこにいるのだろう、とリンクが思案する間もなく、ゼルダの真っ直ぐな瞳と視線が混じり合う。「あり…

  • ed.何度でも

     世界は明転し、気がつけば暖かな陽射しが降り注ぐ時の神殿のマスターソードの前にいた。両手を見れば小さな手のひら。どうやらゼルダの力で元の時代に戻ったようだ。次いで慌てて周りを確認するが、の姿はない。まだと出会ってないのか、それとも……。と、…

  • 34−β.運命の奴隷たち

     リンクが次に気がついたときには、天も地もない、どこまでも広がる青空の中にゼルダと二人、対峙していた。とても澄んだ青空だった。ここはどこだろう、はどこにいるのだろう、とリンクが思案する間もなく、ゼルダの真っ直ぐな瞳と視線が混じり合う。「あり…

  • 35−β.森からの奇跡

     それから一年ほどの年月が過ぎた。とリンクはロンロン牧場で一緒に暮らし、牧場の仕事をしつつハイラル復興のためゼルダの手伝いをしている。 ハイラル復興はまず、瓦解した城下町を立て直すところからはじめていった。ゼルダの指揮のもと、リンクはまず城…

short story
※表記のないものはすべてリンクお相手です。
置いてけぼりの大人/甘
時の狭間レディ/ムジュラのリンク
あしたも大好き/甘 配布源:恋したくなるお題
絶望を歩く/切な