彫刻師と王子7
ハイリア人の友はシドのことを、“シド”と呼ぶ。 彼女からしたら何の意図もないその呼び方だが、シドとしてはそれがとても新鮮で気に入っている。初めて彼女から名前を呼ばれた瞬間の、あの痺れるようなのに心地が良い不思議な感覚は今でも忘れられない。…
zld_彫刻師と王子
彫刻師と王子6
雨と泥でぐちゃぐちゃになりながらも立ち上がるが、右足首が痛くてまともに歩くことはできなさそうだ。手や腕が無事だったことにホッとしつつ、右足を庇い歩いてなんとか岩の下へと身を寄せる。岩の下はが立っても余裕なくらいの高さがあった。漸く雨がしの…
zld_彫刻師と王子
彫刻師と王子5
ゾーラの槍から始まった鍛冶も、徐々にバリエーションが増えてきた。そのどれもが緻密に作られていて、集中力の関係で一日では出来上がらない。ロスーリはさすが熟練の鍛冶師ということで、淀みない手付きですぐに作り上げる。はそれらを作る度に、ゾーラ族…
zld_彫刻師と王子
彫刻師と王子4
初めてできたゾーラ族の友は、シドと言うらしい。 シドにリュックを持ってもらって工房へと向かう道すがら、彼と会話を交わしながらも周りからの視線がいつもよりも注がれていることが気になったし、もっと言えばいつも感じる視線と、言うならば“色”が違…
zld_彫刻師と王子
彫刻師と王子3
にはこのゾーラの里に修行に来るにあたって、成し遂げたいことがある。父から修行に行くからには、きちんと目的意識を持って行きなさいと言われて、確かにそうだと思い、やりたいことリストを作ったのだ。 一つ目は学んだことを通じて、新しい武器を作るこ…
zld_彫刻師と王子
彫刻師と王子2
ここ、ゾーラの里は、ゾーラ族が住まう都市でありながら、彫刻師を名乗るのならば、ゾーラの里を一度は訪れろ。と言われているほど、その界隈ではとても有名な場所だ。彫刻技術も去ることながら、里を造った石工技術もこのハイラル随一と言われている。 彫…
zld_彫刻師と王子
彫刻師と王子1
里そのものが芸術作品だと言ったのは誰だったか。眼前に広がる美しいゾーラの里を見ては、言い得て妙だ、としみじみ思った。ゾーラの里にやってきて早一ヶ月ほど。毎日が刺激的で、学ぶことだらけだ。 ラネール地方にあるゾーラの里は、川の上流の文字通…
zld_彫刻師と王子