zld_何度でも

35−β.森からの奇跡

 それから一年ほどの年月が過ぎた。とリンクはロンロン牧場で一緒に暮らし、牧場の仕事をしつつハイラル復興のためゼルダの手伝いをしている。 ハイラル復興はまず、瓦解した城下町を立て直すところからはじめていった。ゼルダの指揮のもと、リンクはまず城…

34−β.運命の奴隷たち

 リンクが次に気がついたときには、天も地もない、どこまでも広がる青空の中にゼルダと二人、対峙していた。とても澄んだ青空だった。ここはどこだろう、はどこにいるのだろう、とリンクが思案する間もなく、ゼルダの真っ直ぐな瞳と視線が混じり合う。「あり…

ed.何度でも

 世界は明転し、気がつけば暖かな陽射しが降り注ぐ時の神殿のマスターソードの前にいた。両手を見れば小さな手のひら。どうやらゼルダの力で元の時代に戻ったようだ。次いで慌てて周りを確認するが、の姿はない。まだと出会ってないのか、それとも……。と、…

34.そして、さようなら

 リンクが次に気がついたときには、天も地もない、どこまでも広がる青空の中にゼルダと二人、対峙していた。とても澄んだ青空だった。ここはどこだろう、はどこにいるのだろう、とリンクが思案する間もなく、ゼルダの真っ直ぐな瞳と視線が混じり合う。「あり…

33.冥府の彼方へ

「この俺様が……魔王ガノンドロフがこんな小僧に敗れるのか……!?」 ついにリンクがガノンドロフに止めを刺した。まばゆい光が一面を照らすと、いつの間にやら光景が変わっていた。今までいた場所はガノンドロフが魔力で作り上げた空間だったのだろうか、…

32.魔王との戦い

 城下町を抜けてかつてのハイラル城で今はガノン城と化した城へと続く荒れ果てた道をひた走る。やがて現れたガノン城は、ハイラル城だった頃の面影はなく、すっかりと姿を変えてしまった。かつては緑で満ちていた美しいハイラル城の敷地は草木一つない、生命…

31.時の神殿での再会

 リンクと相談した結果、途中にロンロン牧場に立ち寄って、安全のためにエポナを預けることにした。砂漠地帯からロンロン牧場へと向かう道すがらのハイラル平原で、手頃な木陰を見つけて少し休憩を挟んでいる時、これから始まる最終決戦に向けてはリンクに考…

30.魂の神殿の開放

 リンクが魂の神殿に向かって、どれほどの時間が経ったのだろうか。時間を知るすべは、檻の中にある小さな明かり取りの窓から見える空の様子だけだ。青色だった空の色は、少しずつ橙色に染まっていく。もうじき日が暮れるだろう。捕虜の身だから贅沢はもちろ…

29.女神たちが住まう砦へ

 さて歩き出そう、と改めてゲルドの砦へと歩き出したとき、『そういえば』、と言ってナビィが紡いだ言葉はに衝撃を与えた。 砂漠にはゲルド族と言う種族が住んでいて、女性しかいない。それは先刻ナビィから聞いていた。そして女性しかいないからこそ、強く…

28.砂漠の真ん中で愛を叫ぶ

 暫く行くと、それまでの草原から、ごつごつとした岩肌が目立つようになり、いよいよ砂漠地帯に近づいてきたようだった。ゲルドの谷、と呼ばれる谷までやってくると、ここから先の砂漠を行く旅人向けに水や食料、マントなどが売っている露店が並んでいた。馬…

27.闇の開放、そして砂漠へ

 一歩、また一歩と歩みを進める度に闇に身体が溶けていきそうな感覚に陥りながらも、慎重に歩みを進めて深淵を進んでいけば、それまでの細い一本道から広い空間に出た。なんとなく嫌な予感がする。封印された魔物がいるとするならばきっとここだろう。そして…

26.深淵へ

 カカリコ村の異変に気付いたのは、村のあたりから怪しい黒煙が立ち上っているのが見えた時だった。エポナを走らせて急いで駆け付けると、村では大規模な火災が発生していた。逃げ惑う人々の波をかき分けて、二人も消火活動にあたろうと村の中央にある井戸へ…