聖剣伝説LOM_いっそ世界が終わればいい

14.求めるものへの道のり

 それにしてもレイリスの塔はいったいどこまで続くのだろうか? 上を見るが、まだまだ果てしない。もう何階上がったかわからないが、足がだるい。だが弱音を言ってられない。運命の部屋にいかなければならいないのだ。これは使命であり、義務である。隣を歩…

13.隠された過去を捜して

 そわそわとはやる気持ちのまま、心ここにあらずの状態で仕事をしていた。ちら、ちら、時計を確かめては、まだぜんぜん時間が進んでいないことにため息をつく。アレックスは奥の部屋から戻ってこないし、時間はスローペースだし、の気分は最悪だった。「………

12.不思議な夢は何を語る

『―――』 ……え、だあれ?『レイリスの塔が貴女を呼んでいる』 レイリスの塔? ――あの、暗い雰囲気で魔物がいっぱいいるって言われているあのレイリスの塔?『貴女はすべてを見届ける運命にあります。運命の部屋へ行きなさい』 あなたは誰? レイリ…

11.既視感笑顔の謎

「こんにちは」 次の日、宝石店「ウェンデルの秘宝」に何事もなかったかのようにやってきた。アレックスはカウンターの奥で立ちながら宝石を磨いていて、に気づくとやんわりと微笑んで、頭を下げた。「こんにちは」 やはりアレックスの――好きな人の笑顔を…

10.憎しみの連鎖

 サンドラを、止めなきゃ。 悲しみの深淵で、その思いだけが確かに力強く根付く。何が目的で、珠魅を殺しているのかはまったくわからない。大事な人を守るため、なのだろうか。それでもは、サンドラの凶行を許せなかった。これ以上の悲しみを生まないために…

09.さよならルビーの騎士

 次の日、はまたガドへやってきた。二度目のガドもやはり、ため息が出るほど壮大だった。はるか遠くに聳える癒しの寺院を暫く見つめ、約束の場所へ向かって坂を登り始めた。だが、坂を一歩登るごとに、なんだか嫌な予感を覚える。テラスにてルーベンスと会う…

08.大事な人を守るとき

改めて、再び草人探しに戻ったたち。「草人さん、どこへ行ったのかな……?」 キョロキョロと心配そうに辺りを見回すが、草人の姿は見えないし、声も聞こえない。「案外、また戻ってきて、今度はとぶつかったりして……!?」「瑠璃くん?」 途中で言葉を止…

07.閉ざされた希望の炎

「あ、草人さんがいた!」「いたいよおお!」 瑠璃の勘は当たった。草人は寺院の中で大暴走していた。修道女たちは暴走する草人をどうすることもできず見守っている。と瑠璃は草人を追いかけるが、とんでもなく早いスピードで走る草人にはどう足掻いても追い…

06.万能薬とひとつの命

「瑠璃くん、瑠璃くんならわかるだろうけど、あそこの店の宝石……輝きがなかったよね」「お前にも分かるんだな。……ああ、俺も輝きがないと思った」 店を出て少し歩くと、が複雑な顔で言った。瑠璃も賛同するように頷いて、眉を寄せる。「今日は店長に頼ま…

05.ラピスラズリの恋

 町の入口にある案内看板と、目の前に見える景色とを見比べる。宝石店への道は、迷わずに行けそうだ。 断崖の町ガドは、その名の通り崖に町が形成されている。町の入口から、崖の一番上には火と風の精霊を祭る癒しの寺院との高低差はかなりある。複雑で巧妙…

04.近いのに遠い人

 髪が長くて、白いドレスを着ている少女がこちらに背を向けて尻餅をついている。瑠璃が「真珠!!」と叫び少女に駆け寄っていく。どうやら、瑠璃の探し人だったようだ。も駆け寄り、彼女の無事な様子を見て安堵のため息をつく。「真珠、さっきの悲鳴は?」「…

03.プリンセスの消息について

「髪が長くて、白いドレスを着たおっとりした子、知らない?」「知らないなぁ~」 二手に分かれて聞き込み調査をしているのだが、依然として確かな情報も曖昧な情報も何一つ得られていない。いいかげんうんざりしながらも、たちは根気よく聞き込みをしている…