26.宝石たちの罪明かし
「ちゃん?」急に声が聞こえてきて、重いまぶたをこじ開けてみれば、これでもか、というほどドアップの不思議そうな顔をした真珠がいた。一気に目が覚めて、ついで昨日の出来事が脳裏に蘇った。エメロードのこと、サンドラのこと、ディアナのこと、昨日はいろ…
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25.ただいま、おかえり
自宅が見えてくると、灯りが燈っているのが見えたそれが。なんだか不思議な感じがした。いつも帰っても誰もいないし、まして明かりなんてついちゃいない。こうして明かりのついた家をみると、なんだか「おかえり」と言われているようでなんともいえない嬉し…
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24.葬送エメラルド
ああわたしは騎士なのに、わたしは騎士なのに、わたしは……「エメロード……」 体中から力が抜けていくのを感じるのと同時に、地面にへたりと座り込んだ。瑠璃がすかさず、肩をつかんで「!」と名前を呼ぶが、それがどうにも遠くの出来事のように感じた。…
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23.悲愁エメラルド
姉の核をすべて見つけ、すべてはうまくいったように思えた。だが、エメラルドの核を集め喜ぶ三人の姿を、遠く宮殿の屋根の上で双眼鏡ごしに見つめる宝石泥棒の存在が、事態を悪い方向へとかえていく。「やっと幸せの四つ葉がそろったというわけね」 冷たく…
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22.集結エメラルド
「何よ……これ」 階段を降りきって、開口一番にひどく落胆したような声でエメロードが立ち尽くした。「どうしてディアナ様が? ディアナ様……?」 きらり、奥にある石像の胸元と、エメロードの胸元が共鳴するように輝いた。そのとたん、エメロードが銅像…
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21.捜索エメラルド
あなたを想うと胸がいたくてあなたを想うと胸がくるしくてあなたを想うと胸がたかなる。あなたが誰であろうと、それはきっと変わらない。ずっと変わらない一つの真実。「次はどこを探すの?」「うーんとね……宮殿あるじゃない、クリスティーヌの」「ああ、う…
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20.決意エメラルド
「やっぱり珠魅か……。俺は瑠璃。仲間を探して旅をしている」「まあ、そうなの。旅をしているなら、あたしに似た人見なかった?」「いや……は?」「わたしもないなぁ……。力になれなくて、ごめんね」 エメロードは寂しそうに笑って、「そっか」とだけいっ…
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19.発見エメラルド
「ああ、でも……」 瑠璃が立ち止まり、少し複雑そうな顔をした。「ずっと思っていたんだが、やはり外は危険だ……真珠は、どこかで待っていたほうがいいかもしれない」 確かに瑠璃の言うことにも一理あった。これまでこれまで幸運にも何もなかったが、一人…
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18.希望エメラルド
レイリスの塔から家にどうやって帰ってきたのか全く記憶がないのがとても不思議だが目が覚めたら、家のベッドで横になっていた。昨日のことがまるで夢のように感じたが足の鈍い痛み――俗に言う筋肉痛というやつだ。――が事実だと物語っていた。『関係ない…
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17.女怪盗、瑠璃、真珠、過去、珠魅
意識が戻ってきたときには、真珠が心配そうに覗き込んで、が目を覚ますと泣きだしそうな顔で抱きついてきた。少しふわふわとした感覚のままなされるがままでいると、やがて真珠が少し離れ、今にも泣き出しそうな顔で口を開いた。「よかった……ちゃんが突然…
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16.追憶 宝石たちの悲嘆 後編
珠魅たちの都市に不死皇帝の軍が攻めていったのは確か、遥か昔の事。当然が生まれているわけがない。ということは、もしかしたら、レイリスの塔の運命の部屋で過去に飛ばされたのかもしれない。と、段々とこの状況を理解し始めた。 レイリスの塔がを呼んで…
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15.追憶 宝石たちの悲嘆 前編
これは120年前、珠魅たちがまだたくさん生きていたころのお話。不死皇帝の軍が各地の煌きの都市を攻めて、珠魅たちがどんどんと討たれ死んで行く。「―――、――!」「――――――っ!」(あ……れ? なんか聞こえる) の中にすぅっと意識が戻ってき…
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