38.ある、うららかな日
ドミナの町を歩いていくと、目の前からタマネギ型の被り物を被った小さな男が歩いてきているのが見える。男はに気づくと、手を挙げた。「お、じゃないか。久しぶりだな」「ドュエル。お久しぶり。相変わらずタマネギみたいだね」「否定はしないが、タマネギ…
聖剣伝説LOM_いっそ世界が終わればいい
37.存在理由の証明
自然と目が覚める。どうやら朝みたいだ。今度こそきちんとした起床。それにしても夢の悪い虫退治をしたり、夢の中で喋ったりとなにかと忙しい眠りだった気がする。おかげさまで全然寝た気がしないのだが、身体の方はきちんと休息をとれたみたいで、気だるさ…
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36.閉じ込めた想いの意味
ふと、女性がの前に現れた。その女性の姿を見た途端、は驚愕に息を呑んだ。女性は、自分自身だった。はじめて自分を、何も介さずに自分の目で見たが、このような姿をしていたのか、と場違いながら少し感心した。 というかここはどこなのだろう。時間からも…
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35.夢と現実の狭間
ふと、女性がの前に現れた。その女性の姿を見た途端、は驚愕に息を呑んだ。女性は、自分自身だった。はじめて自分を、何も介さずに自分の目で見たが、このような姿をしていたのか、と場違いながら少し感心した。 というかここはどこなのだろう。時間からも…
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34.悲しみの砂漠
何も頭に浮かぶことなくぼんやりと砂漠を歩き続ける。何も変わらない風景をずっと見ていると心が“無”に帰すような心持がする。アレックスのことも、アレクサンドラのことも、瑠璃のことも、真珠のことも、何もかもがの心からいつのまにやら消えていた。 …
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33.記憶の砂漠
まるで深海を遊泳しているかのような自由でゆるやかな心地。そんな意識の中にいたのだが、突如聞こえてきた声にその深海から飛び出ざるをえなかった。「誰か!!」 助けを求める声。ははっと気付いたら、いつの間にか見知らぬ部屋に横たわっていた。上体を…
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32.眠れぬ夜に想うこと
アレクサンドル=アレックスという確かな証拠はないが、アレクサンドル≠アレックスという確かな証拠もない。しかし、他人の空似にしては似すぎているのは確かだった。何らかのつながりがあるのは、確かだと思う。 ――もしも、アレクサンドルがアレックス…
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31.古の記憶を見つめて
意識が戻った瞬間には、この間みたいに倒れているわけではなく、運命の部屋に入りアレクサンドルの記憶を見る前の状態に戻ったような感じであった。時が全く進んでいないような、先ほど見た光景は、時間と空間が現実と切り離されたところで見たような。今度…
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30.アレクサンドル
「だめ、でしたか……」 気付いたときには、狭い建物にいた。少し薄暗いところだった。燭台に燈る明かりはどこか心もとない。聞こえてきた声の持ち主は、アレクサンドルだった。アレクサンドルの目の前には、どんな生物なのか検討もつかない異形のものがいた…
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29.正しさの定義
「っ……」「瑠璃くん……? 傷が痛むの?」 突然胸の核を押さえしゃがみ込んだ瑠璃。彼は昨日サンドラによって核を傷つけられてしまったので、もしかしたらその傷が痛んだのかもしれない。「大したことない。心配するな」 そういって立ち上がった瑠璃の顔…
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28.プリンセスはどこへ消えた
「」 呼ばれる声がして、一気に意識が戻ってきた。カーテンの隙間からのぞく朝日が眩しくて目を細める。狭まった視界で瑠璃を発見して、「るりくん」といまいちまわらない口で名を呼んだ。昨日の記憶が蘇ってくる。昨日はサンドラに瑠璃の核が傷つけられて、…
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27.巡る想い
「貴様……!」 瑠璃が剣に手をかけてサンドラに向かって駆けだした。サンドラは逃げようともせず妖艶な笑みを浮かべて、カードをしなやかに投げつけた。そのカードは瑠璃の核をかすめ、瑠璃は立ち止まり小さくうめき声をもらして核をおさえた。「瑠璃くん!…
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